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養育費にボーナス加算は必要? ボーナス払いの注意点とあわせて解説

2022年03月28日
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養育費にボーナス加算は必要? ボーナス払いの注意点とあわせて解説

長崎市が公表している『令和2年版長崎市統計年鑑』によると、平成30年度における長崎市内の離婚件数は660件でした。毎年増減は繰り返しているものの、平成26年からの5年間で、合計3418組の夫婦が離婚を選択しています。

離婚をする夫婦に子どもがいる場合は、子どもの養育費の金額や支払い方法などについて決める必要があります。しかし、養育費は長期間にわたり支払いが続くものなので、双方の意見が対立することも少なくありません。また、金額を算出するにあたっては、ボーナスをどのように取り扱うのかという点も論点になりやすいでしょう。

そこで、本コラムでは養育費算定にあたってボーナスを考慮するのか、養育費の支払い方法としてボーナス払いは可能なのかなどについて、ベリーベスト法律事務所 長崎オフィスの弁護士が解説します。

1、養育費にボーナス分は加算されるのか?

養育費の金額を決めるにあたっては、ボーナスは考慮されるのでしょうか。また、ボーナス月に養育費を多めに支払うといったボーナス加算は可能なのでしょうか。

  1. (1)養育費の算定にあたってはボーナスも考慮される

    養育費の金額を取り決める際には、当事者双方の収入を基準に決めるのが一般的です。この場合に用いられる収入とは、月収ではなく年収がベースになります。

    一般的な会社員であれば、源泉徴収票の『支払金額』欄に記載されている金額が、養育費を取り決める際のベースになると考えれば良いでしょう。支払金額には、基本給のほか、残業代やボーナスも含まれています。つまり、養育費はそれらの金額も含めた額を基準として取り決めることになります。

    養育費を支払う側としては、『ボーナスは毎年支払われるものではない』、『業績によって金額が変動するため、たまたま多い年のボーナスが基準になるのは不公平だ』などと思うかもしれません。しかし、このような個別事情については、将来の養育費減額の事情として用いられることはあるものの、養育費の算定基礎から除外するという事情には基本的にはなりません

  2. (2)養育費のボーナス加算とは?

    養育費の支払いを受ける側から、『ボーナス月は、多めに養育費をもらいたい』などと、ボーナス加算を要求されることがあります。
    しかし、前述したとおり一般的な会社員であれば養育費算定の基礎となる年収には、すでにボーナスが含まれています。そのため、養育費のボーナス加算を認めることは、養育費の二重払いを認めることに等しくなってしまうので、原則としてそのような要求には応じる必要はありません。

    もっとも、全体の支払金額が変わらないのであれば、ボーナス加算をすることは養育費を支払う側にもメリットがあります。年収全体に占めるボーナスの割合が高い場合には、ボーナスを含んだ年収ベースで養育費の金額を算定すると、毎月の経済的負担が厳しくなることもあるでしょう。そのような場合には、毎月の養育費の金額を減らして、その分をボーナス月に上乗せして支払いという方法にすることによって毎月の負担を軽減することができます。

    このようなボーナス加算については、当事者がお互いに納得すれば採用することもできます。ただし、ボーナスの金額は、変動も大きいため、あまり高額なボーナス加算を設定すると、会社の業績によっては支払いが困難になることもありますので注意が必要です

2、ボーナスで一括払いをすることも可能?

では、ボーナス加算ではなく、ボーナス月に養育費を一括で支払うというボーナス一括払いをすることは可能なのでしょうか。

  1. (1)当事者が合意すればボーナス一括払いも可能

    養育費の支払い方法については、法律上の決まりはありません。そのため、当事者が合意できれば、毎月の支払いではなく、ボーナス月にまとめて支払うという方法を採用することもできます。

  2. (2)ボーナス一括払いのメリットとデメリット

    ただし、養育費の支払いをボーナス一括払いにすることは、メリットだけではなく、デメリットもあります。養育費の支払い義務者としては、メリットとデメリットを踏まえて、慎重に検討するようにしましょう。

    ● メリット
    離婚後も、自身が生活をしていくうえでの生活費、家賃、水道光熱費、保険料などの支払いは生じます。そこに養育費の支払いが加われば、ほとんど余裕がない生活になるかもしれません。
    その点、ボーナス払いにすることで、月給はこれまでと変わらず使用することができるので、臨時収入は少なくなるものの、日々の生活は基本的には困らないと考えることができます

    ● デメリット
    日本の多くの企業では、年2回、給料とは別にボーナスが支給されます。しかし、ボーナスは、会社の業績に応じて支給されるものなので、増額することもあれば、減額することもあります。また、場合によっては支給されないということもあり得るでしょう。
    大幅な減額があった場合や、支給そのものがなくなった場合、ボーナス月にまとまった金額を支払うことができなくなってしまいます。支払いが滞れば、強制執行によって給与などの差し押さえを受けるおそれもあります

3、養育費の金額と支払い方法の決め方

養育費の金額と支払い方法については、将来のことも見据えて決めていくことが大切です。では、どのような方法で決めれば良いのでしょうか。

  1. (1)当事者での話し合い

    養育費の金額の決め方については、法律上、特に決まりはないため、夫婦が話し合いによって自由に決めることができます。しかし、養育費を支払う側としては、できる限り金額を低くしたいと考えますし、養育費をもらう側としてはできる限り金額を高くしたいと考えるでしょう。お互いの主張が対立し、話し合いが平行線となることも珍しくありません。

    養育費の金額を決めるにあたっては、裁判所が公表している『養育費算定表』を利用するのが一般的です。養育費算定表を利用することによって、夫婦それぞれの収入と子どもの人数に応じて簡易・迅速に養育費の相場を知ることができます。
    養育費算定表によって導かれた金額をベースに話し合いを進めることによって、スムーズに合意形成が得られる可能性があります

    なお、ベリーベスト法律事務所では、必要項目を入力するだけで、簡単に相場を算出できる計算ツールをご用意しています。ぜひ、ご活用ください。

  2. (2)調停

    当事者同士の話し合いで合意に至らなかった場合には、家庭裁判所の調停手続きを利用して解決を目指すことになります。
    なお、離婚後に養育費を請求したいといった場合は「養育費請求調停」を、離婚前で、養育費や、その他の事柄でももめているような場合は、「夫婦関係調整調停」を申し立てることになります。

    調停手続きでは、調停委員が当事者の間に入り紛争の解決に向けて調整を行ってくれるので、当事者だけで話し合うよりも解決できる可能性が高まるでしょう。また、基本的に当事者同士が直接顔を合わせて話し合いをする必要はないので、感情的な理由から話し合いが進まないというケースでは有効な手段です。
    また、当事者の一方が離婚に関する資料を開示してくれないような場合であっても、裁判所を通して開示を求めることが可能となります。
    ただし、あくまでも話し合いにより解決を目指す手続きのため、お互いの歩み寄りは必要になります

    調停で養育費の金額や支払い方法について合意が得られた場合には、その内容が調停調書に記載されます。調停調書は、確定判決と同様の効力があるので、養育費の不払いがあった場合には、直ちに強制執行をすることが可能になります。

  3. (3)審判・訴訟

    調停でも合意が得られなかった場合には、基本的には裁判を提起することになります。

    ただし、「養育費請求調停」の場合は、裁判ではなく自動的に審判手続きに移行することになります。審判手続きでは、家庭裁判所の裁判官が当事者の主張や証拠など一切の事情を踏まえて、適当と考えられる養育費の金額や支払い方法などを決定します。
    なお、審判に至った場合、養育費の支払い方法は毎月の支払いとなるのが基本です。

4、将来のトラブルを防ぐためにできること

養育費に関する将来のトラブルを防止するためには、取り決める際に、どのような点に注意するべきなのかを確認していきましょう。

  1. (1)十分に話し合いを行う

    養育費の金額や支払い方法を決める際は、将来のあらゆるリスクを想定したうえで、十分に話し合って決めることが大切です。
    話し合いが面倒だからといって、適当に取り決めをしてしまうと、合意した金額が支払えないという事態になることもあります。将来、金額を変更しようとしても、容易には認められませんので、注意が必要です。
    特に、子供が大学に進学した場合や、高額な医療費が必要な病気になってしまったような場合等に誰がどのように負担するかといった内容についても、十分に話し合う必要があります

  2. (2)合意した内容は公正証書にして残す

    当事者間の話し合いで養育費の金額や支払い方法について合意ができた場合は、その内容を書面に残すことが重要です。口頭の合意だけでも有効ですが、後日、合意した内容をめぐってトラブルが生じることもありますので必ず書面に残すようにしましょう。

    書面にする場合には、公正証書にすることをおすすめします。公正証書とは、公証役場において公証人が作成する公文書であり、当事者間で作成する私文書よりも証拠としての価値が高いというメリットがあります。作成した公正証書の原本は、公証役場に保管されていますので、偽造や紛失などのリスクもありません。
    なお、執行認諾付きの公正証書にすることで、支払いが滞った際は、裁判手続きを経ることなく、直ちに強制執行ができるという点も覚えておきましょう。

  3. (3)弁護士に相談をする

    養育費の取り決めについては、単純に金額や支払い方法を決めるだけでは十分とはいえません。将来のトラブルを防止するためには、さまざまな可能性を想定したうえで、細かい条件などを決める必要があります。
    しかし、個人が漏れなく条件などを決めるのは簡単ではないことにくわえ、離婚を決めた夫婦が冷静に将来を見据えて話し合いを行うのは難しいでしょう。

    そのため、養育費に関する話し合いを進めるにあたっては、弁護士に相談をするということが大切です。弁護士であれば個別具体的な事情から将来のリスクを想定して、最善の内容で取り決めをすることが可能です。また、弁護士に依頼をすることによって、相手との交渉もすべて任せることができるため、精神的な負担も軽減されるでしょう。

5、まとめ

養育費の支払い方法として、ボーナス加算やボーナス払いをすることは可能ですが、それに伴うデメリットも十分に検討したうえで話し合いを進めていく必要があります。養育費の金額や支払い方法について争いがある場合には、弁護士のサポートを受けることによってスムーズに解決することが期待できます

離婚問題に関するお悩みは、ベリーベスト法律事務所 長崎オフィスにご相談ください。経験豊富な弁護士が、しっかりとお話をうかがったうえで、事案が解決するまでサポートします。おひとりで悩まず、まずはお問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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