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親告罪とは? 告訴期間はきまっている? 告訴されたときの対応方法

2022年06月23日
  • その他
  • 親告罪 告訴期間
親告罪とは? 告訴期間はきまっている? 告訴されたときの対応方法

インターネットが発展した現代では、誤ったSNSなどの使い方により誹謗中傷につながってしまうなど、誰もが名誉毀損罪や侮辱罪の加害者になってしまう危険があります。

令和3年12月には、行方不明になってしまった幼女の行方について、母親を中傷するブログを公開した男が名誉毀損罪で有罪判決を受ける事例もありました。

長崎県内でも、セクハラ被害を発端としたトラブルで、セクハラを訴えられた側が名誉毀損であることを主張したという事例もあります。

名誉毀損罪や侮辱罪など、誹謗中傷に関する事件に関する報道では「親告罪」「告訴(刑事告訴)」「告訴期間」といった法律用語が登場します。本コラムでは、これらの単語の意味を解説したうえで、告訴されてしまったときに取るべき対応について、ベリーベスト法律事務所 長崎オフィスの弁護士が解説します。

1、「親告罪」とは?|告訴がなければ起訴できない犯罪

刑事事件を報じるテレビニュースや新聞記事のなかには、さまざまな法律用語が登場します。
まずは「親告罪」や「告訴」「起訴」などの意味について解説します。

  1. (1)「親告罪」の意味

    「親告罪」とは、検察官が被疑者を起訴するにあたって、被害者の告訴が必要となる犯罪です。

    刑法ではさまざまな行為が犯罪として定めていられますが、そのなかには「この罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない」といった条文が含まれている場合があります。
    この規定に該当する犯罪が、親告罪なのです

    親告罪が規定されている主な理由は、以下の通りです。

    • 事件が捜査や刑事裁判の過程で公になってしまうことで、被害者のプライバシーが侵害される等二次被害が生じることを防ぐため
    • 事件のなかには、司法が介入しないほうがよいものも存在するため
  2. (2)「告訴」や「起訴」の意味

    親告罪には、「告訴」や「起訴」といった法律用語が関わってきます。

    「告訴」とは、犯罪の被害者や遺族などが、捜査機関に対して犯人の処罰を求めるための手続きです
    ニュースなどでは「刑事告訴」とも表現されますが、民事手続きには告訴が存在しないため、「刑事告訴=告訴」ということになります。

    告訴と似ている手続きとしては「被害届の提出」がありますが、こちらは、「犯罪が発生した」という事実を警察に知らせるに過ぎません。

    一方で、告訴は「犯人を処罰してほしい」と、積極的に求める手続きです。そのため、被害届の提出よりも強固な意思が反映された手続きだといえます。
    法律の定めによると「告訴は口頭でも可能」とされています。しかし、実際は経緯を詳しく説明する必要があるため、通常は「告訴状」という書面の提出が求められることになります。

    「起訴」とは、検察官が裁判官に対し、犯罪事実についての審判を求める意思表示をいいます
    親告罪を規定している刑法の条文にある「公訴の提起」とは、起訴を指しています。
    起訴は、検察官のみに与えられた特別な権限です。
    たとえ警察に逮捕・検挙されても、検察官が起訴しなければ刑事裁判は開かれないので、懲役や罰金といった刑罰を受けることもありません。

    なお、令和3年版の犯罪白書によると、令和2年中に検察庁が取り扱った事件のうち、起訴に至った事件の割合は刑法犯で37.4%、道路交通法違反を除く特別法犯で48.8%でした。
    刑法犯ではおよそ3人に1人、特別法犯ではおよそ2人に1人しか起訴されていないことになります。

  3. (3)親告罪の種類や該当する犯罪

    親告罪は、以下の二種類に分かれます。

    • 絶対的親告罪
    • 相対的親告罪


    刑法などの条文において、検察官が起訴する場合に、被害者の告訴が必要とされる犯罪が「絶対的親告罪」です。
    つまり、絶対的親告罪では、警察に被害届を提出するだけでは正式な手続きとはならず、告訴まですることが必ず求められるのです

    絶対的親告罪にあたる犯罪の例としては、以下のようなものがあります。

    • 過失傷害罪(刑法第209条)
    • 名誉毀損罪(刑法第230条)
    • 侮辱罪(刑法第231条)
    • 器物損壊罪(刑法第261条)


    なお、強制わいせつ罪(刑法第176条)や旧強姦罪(現:強制性交等罪 刑法第177条)は絶対的親告罪として規定されていましたが、平成29年の刑法改正によって親告罪にあたらない「非親告罪」へと変わりました。

    「相対的親告罪」は、加害者と被害者との間に一定の身分関係がある場合に限って親告罪になる犯罪のことを指します
    具体的には、配偶者・直系血族・同居の親族の間で生じた犯罪は、その刑を免除するという「親族相盗例」が適用される犯罪について、これらに該当しない親族を対象とした場合にのみ適用されます。

    • 窃盗罪(刑法第235条)
    • 横領罪(刑法第252条)
    • 詐欺罪(刑法第246条)
    • 恐喝罪(刑法第249条)


    たとえば、同居していない兄弟姉妹による窃盗では、親族相盗例の適用を受けないため相対的親告罪になります。
    この場合には、被害者が告訴した場合に限って、事件化が可能となります。

2、親告罪における「告訴期間」とは

親告罪にあたる犯罪には「告訴期間」が設けられます。
告訴期間を過ぎると、告訴の意思を示しても、受理されません。

  1. (1)告訴期間は「犯人を知った日から6カ月以内」

    刑事訴訟法第235条は、親告罪の告訴期間について「犯人を知った日から6カ月を経過したとき」と定めています

    ここでいう「犯人を知った日」とは、犯人の住居や氏名などの詳しい情報はなくとも「誰なのか」を特定できる程度の情報を得た日、ということになります。

    たとえば、ネット上の誹謗中傷が名誉毀損罪や侮辱罪にあたるケースでは、詳しく調べないと加害者の住居や氏名といった情報はわかりません。
    しかし、投稿者としてアカウント名やハンドルネームなどは特定できるので、被害者が誹謗中傷の投稿が存在することを知った時点が「犯人を知った日」になるのです。

  2. (2)親告罪に告訴期間が設けられている理由

    刑法などに定められている犯罪には、一定期間を過ぎると起訴できなくなる「公訴時効」が存在します。

    ところが、公訴時効は最短でも1年、最長では30年であり、一部の重大犯罪については公訴時効が適用されません。
    これに対して、親告罪の告訴期間は「犯人を知った日から6カ月以内」と、非常に短く設定されているのです。

    親告罪に告訴期間が設けられている理由には、さまざまな解釈があります。
    もっとも有力とされている理由は、「長期にわたって被害者に起訴の可否を委ねることは適当ではない」というものです

    期限を設けず、公訴時効まで自由に告訴可能とした場合、被害者は「いつでも告訴できる」という武器を得ることになります。

    たとえば、被害者が慰謝料などの支払いを求めたうえで、「満足できる金額を支払わなければ告訴する」といったかけひきを持ちかける可能性があります。
    このような状況が続くことは、加害者の精神状態はもちろん、警察・検察官といった捜査機関や刑事裁判を担当する裁判所にとっても非常に不安定な状態だといえます。

    そこで、親告罪にあたる犯罪については、事件発生後の早いタイミングで処罰意思を明らかにするべきという考えから、告訴期間が設けられた、と考えられているのです。

3、告訴された場合の流れ

刑事事件を起こして告訴された後の流れについて、解説します。

  1. (1)告訴されたこと積極的には加害者に知らされない

    告訴を受理するのは、警察や検察官です。市中で発生した犯罪については、一般的に、管轄の警察が受理します。

    被害者からの告訴を受理した警察は、秘密裏に捜査を進めます。
    そのため、告訴を受けた加害者=被告訴人に対して「◯月◯日にあなたへの告訴が受理されました」などと積極的に通知することはありません。
    告訴された人は、その事実を、取り調べなどの必要があって警察からの呼び出しを受けた際に初めて知ることになるでしょう

  2. (2)警察による捜査が進む

    警察は、被害者が告訴した内容をきっかけに捜査を進めます。
    なお告訴内容に間違いがないからといって、必ずしも逮捕されるわけではありません。
    逮捕が認められるのは、その人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、かつ加害者が逃亡や証拠隠滅を図るおそれがあるなど身柄を拘束する必要性がある場合に限られます。

    逮捕されない場合でも、警察による取り調べは避けられません
    ただし、逮捕されない「在宅捜査」では、指定された期日に警察署へと出向いて取り調べを受ければ、帰宅を許されます。
    その後も必要に応じて期日どおりに出頭すれば、在宅のまま捜査が進むため、基本的に逮捕されることはないでしょう。

  3. (3)検察官が起訴・不起訴を決める

    警察の捜査が終わると、事件が検察官へと引き継がれます。
    この手続きが「送致」です。
    なお、ニュースなどでは「送検」と呼ばれることが一般的です。

    逮捕を伴う事件では、逮捕から48時間以内に加害者の身柄が検察官へと送致され、検察官の段階で24時間内の身柄拘束を受けたのち、必要に応じてさらに最大20日間の「勾留」を受ける場合があります。
    在宅事件では、書類と証拠品のみが送致されます。
    こちらは、ニュースなどでは「書類送検」と呼ばれています。

    警察から事件の送致を受けた検察官は、自らも捜査を進めたうえで、起訴すべきかどうかを判断しなくてはなりません。
    犯罪事実について裁判所に対し審判を求める必要があると判断すれば「起訴」し、その必要がないと判断すれば「不起訴」とします

    起訴されると被告人として刑事裁判で審理を受けて、有罪・無罪の言い渡しを受けます。
    一方で、不起訴になると刑事裁判が開かれないため、その時点で事件は終結になります。
    有罪か、無罪かも審理されないので、刑罰を受けることもありません。

4、刑事事件を起こしてしまったら弁護士に相談を

親告罪にあたる事件を起こしてしまった場合は、直ちに弁護士に相談して、必要なサポートを受けてください。

  1. (1)被害者との示談交渉を一任できる

    親告罪にあたる事件では、被害者が告訴しない限り検察官は起訴できません。
    警察や検察官が「厳しく処罰されるべきだ」と判断しても、被害者が告訴しない限りは事件化を断行できないのです。
    また、一度は告訴が受理されたとしても、検察官が起訴するまでは被害者の意思で自由に取り消すこともできます。

    刑罰が下される事態を回避するには「被害者の告訴を防ぐ」あるいは「告訴を取り下げてもらう」ことが最善策になります。
    しかし、被害者の多くは加害者に対して強い怒りや嫌悪の感情を抱いているため、加害者本人やその家族などによる交渉を拒む傾向があります。
    何度も面会や連絡を続けてしまうと、警察から証拠隠滅を図ろうとしているのではないかと疑われてしまいかねません。

    弁護士に依頼すれば、被害者との示談交渉を一任することができます
    被害者の心情に配慮したうえで、できる限り穏便な解決を実現できるように交渉を進めることも可能です。
    かたくなに示談交渉を拒んでいる被害者でも、法律の専門家である弁護士による交渉なら、素直に応じてくれる可能性が高まるでしょう。

  2. (2)適切な示談金額での和解が期待できる

    被害者のなかには「被害者である」という立場を逆手に取って、異常に高額な示談金の支払いを求める者も、一定数存在します。
    特に親告罪にあたる事件では、被害者の意向ひとつで起訴や不起訴が決まるため、有利な立場を悪用する被害者を相手にしてしまうと、多大な負担を強いられるおそれがあるのです。

    弁護士であれば、事件の内容や被害の程度に応じた適切な示談金額を算出することができます
    被害者に対して示談金額の根拠などを明確に示すことも可能なので、適切な範囲の示談金額での和解を実現できる可能性を高められるでしょう。

  3. (3)早期の身柄釈放や処分の軽減が期待できる

    捜査機関に逃亡・証拠隠滅を疑われた場合は、裁判官による逮捕状の発付を受けたうえで逮捕されてしまうかもしれません。
    逮捕されると、逮捕から起訴・不起訴の判断まで、最長で23日間にわたって社会から隔離されてしまいます。
    解雇や退学などの不利益を避けるためには、早期の身柄釈放や処分の軽減が必須となります。

    弁護士に依頼することで、捜査機関に対して逮捕や勾留を見送るようにはたらきかける、被害者との示談成立によって処分の軽減を図るなど、その後の不利益を減らすための弁護活動を行うことができます

5、まとめ

「親告罪」にあたる事件では、被害者が告訴しない限り、検察官は起訴できません。
検察官が起訴できなければ刑事裁判は開かれず、刑罰を受けることもないため、告訴の回避や取り消しを実現できれば、穏便な解決が期待できるのです。

刑事事件を起こしてしまったときは、弁護士のサポートが必須になります
特に、親告罪にあたる事件では、弁護士による活動が事件の行方を大きく左右することになります。

長崎県内にご在住で、名誉毀損や侮辱、器物損壊といった親告罪にあたる事件で容疑をかけられてしまった場合には、刑事事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所 長崎オフィスにおまかせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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