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コロナ後遺症でも労災は申請できる?

2022年06月23日
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  • 労災
コロナ後遺症でも労災は申請できる?

長崎県が公表している新型コロナウイルスの感染者の療養状況に関する資料によると、令和4年3月21日時点での療養者数は、入院患者が80人、宿泊療養者数が127人、自宅療養者数が2268人、施設療養者数が12人、受診調整中の数が107人となっています。徐々に減少しているとはいえ、依然として感染者が発生している状況が続いています。

新型コロナウイルスは、咳(せき)や会話などによる飛沫(ひまつ)感染や接触感染が主な感染経路であると考えられています。そのため、人との接触が不可欠な職業では、仕事中に新型コロナウイルスに感染する方も少なくありません。

仕事中にけがを負ったり、病気になったりした場合には、労働災害として労災申請をすることができます。では、新型コロナウイルスに感染して、後遺症が生じてしまった場合にも労災申請をすることはできるのでしょうか?

本コラムでは、コロナ後遺症でも労災申請をすることができるかどうかについて、ベリーベスト法律事務所 長崎オフィスの弁護士が解説します。

1、コロナ後遺症で労災申請は可能か

まず、新型コロナウイルスに感染して、コロナ後遺症が生じてしまった場合には労災申請をすることが可能であるかどうかについて、基本的なポイントから解説します。

  1. (1)コロナ後遺症とは

    新型コロナウイルスに感染すると、感染時の症状の有無にかかわらず、回復後も後遺症としてさまざまな症状が発生することがあります。このような後遺症のことを「コロナ後遺症」といいます。
    詳しい原因については、まだ明らかにはなっていませんが、コロナ後遺症の症状としては、以下のようなものが存在します。

    • 嗅覚異常
    • 倦怠(けんたい)感
    • 味覚異常
    • 発熱、微熱
    • 呼吸困難感
    • せき
    • 抜け毛


    コロナ後遺症の治療には長い時間がかかる場合もあり、新型コロナウイルスに感染してから1年以上経過しても症状に悩まされている方もいます。
    国立国際医療研究センターが実施したコロナ後遺症に関する調査結果によると、令和2年2月以降に新型コロナウイルス感染症から回復した人(20代から70代の457人)のうち、半年後でも何らかの症状があるという方が26.3%、1年後でも何らかの症状があるという方が8.8%いたことがわかりました。
    このように、多くの方がコロナ後遺症に苦しめられている現状があるのです

  2. (2)コロナ後遺症も労災申請が可能

    業務中の出来事がきっかけとなり、負傷したり、疾病にかかったり、死亡してしまった場合には、労働基準監督署に労災申請をすることによって、労災保険からの補償を受けることができます。
    実は、あまり知られていませんが、新型コロナウイルスに感染した場合だけでなく、コロナ後遺症が生じた場合にも一定の要件を満たす場合には、労災申請をすることが可能です

    コロナ後遺症で労災申請が可能なケースとしては、以下のケースが挙げられます。

    ① 感染経路が業務によることが明らかな場合
    感染経路が特定できており、それが業務によることが明らかな場合には、労災保険給付の対象になります
    たとえば、飲食店内でクラスターが発生し、それによって飲食店の従業員が新型コロナウイルスに感染したと認められる場合や保育園内でクラスターが発生したことにより、保育園の保育士が新型コロナウイルスに感染したと認められる、という場合が挙げられます。

    ② 感染経路が不明な場合
    感染経路が不明な場合であっても、労働基準監督署が個別事案について調査を行い、その結果、業務との関連性が認められる場合には、労災保険給付の対象になります
    たとえば、以下のような業務に従事していた場合には、感染リスクが高いと考えられますので、潜伏期間内の業務状況や生活状況などをふまえて、業務との関連性が認められる可能性があるのです。

    • 複数の人間が感染した職場での業務
    • 顧客などとの接触の機会が多い職場での業務


    ③ 感染者が医療従事者である場合
    医師、看護師、介護事業者などは、業務の性質上、新型コロナウイルスに感染するリスクが非常に高いといえます。
    そのため、このような業務に従事している方については、業務外で感染したことが明らかであるケースを除いて、原則として労災保険給付の対象になります

2、コロナ後遺症で補償されるのはどの程度か

コロナ後遺症で労災認定を受けた場合に、労災保険から給付される可能性のある補償の種類や程度について解説します。

  1. (1)療養補償給付

    「療養補償給付」とは、労災による被災者がけがや病気の治療を無償で受けることができる制度のことをいいます。
    労災被災者が労災指定医療機関で治療を受けた場合には、治療費の負担なく無償で治療を受けることができます。
    労災指定医療機関以外で治療を受けた場合には、いったんは労災被災者が病院の窓口で医療費を支払わなければなりませんが、立て替えて支払った医療費については後日、労災保険から支払いを受けることができます。

    新型コロナウイルスに感染して、嗅覚異常、倦怠感、味覚異常、発熱、微熱、せきなどの症状が続いている場合には、医療機関を受診することになるでしょう。
    この際に、労災認定を受けることによって、治療費の負担がなくなります

  2. (2)休業補償給付

    新型コロナウイルスに感染した場合には、症状が回復するまでの間は仕事を休まなければならなくなります。

    そして、新型コロナウイルスへの感染を原因として労災認定を受けている場合には、その間の給料の補償として、「休業補償給付」を受けることができます
    休業補償給付では、特別支給金を含めて給付基礎日額の8割の給付を受けることができます。
    なお、給付されるのは、休業4日目からとなります。

  3. (3)障害補償給付

    コロナ後遺症として嗅覚異常、倦怠感、味覚異常、発熱、微熱、呼吸困難感、せきなどの後遺症が生じた場合には、後遺症の内容および程度に応じて、「障害補償給付」を受けることができます
    障害補償給付は、後遺症の内容および程度に応じて認定された等級によって、金額や支払い方法が異なっており、障害等級第1級から第7級に該当する場合には年金として支給され、障害等級第8級から14級に該当する場合には一時金として支給されます。

    たとえば、コロナ後遺症として息切れが生じた場合には、軽度であれば障害等級第11級が認定される可能性があります。
    また、味覚障害については、後遺障害等級12級相当または14級相当が認定される可能性があるのです。

  4. (4)傷病補償年金

    療養補償給付を受けている被災労働者が療養開始後1年6カ月を経過しても治らずに、障害の程度が傷病等級に該当して、その状態が継続している場合には、「傷病補償年金」として、年金および一時金が支給されます。

  5. (5)介護補償給付

    新型コロナウイルスに感染して重篤な障害が残った結果、障害補償年金又は傷病補償年金の受給権を有する者が要介護状態になった場合には、「介護補償給付」として介護費用が支給されます。

  6. (6)遺族補償給付

    新型コロナウイルスに感染したことが原因となって被災労働者が死亡した場合には、被災労働者の遺族に対して、「遺族補償給付」として一時金と年金が支給されます。

3、仕事中にコロナに感染した場合、会社の責任を問えるのか

仕事中に新型コロナウイルスに感染した場合には、会社に対して責任を問うことはできるのかどうかについて、解説します。

  1. (1)会社に対して責任追及をする理由

    新型コロナウイルスに感染した場合には、労災保険から補償を受けることができるため、「会社に対して責任追及する必要はないのでは?」と思う方もおられるでしょう。

    しかし、労災保険から支払われる補償は、被災労働者の被った損害のすべてを回復するものではありません。
    労災保険からは、被災労働者が被った精神的苦痛に対する慰謝料が支払われることはなく、休業補償も給料の8割までしか補償されません。
    そのため、労災保険からの補償では賄われない部分については、会社に対して請求をする必要があるのです

  2. (2)一定の場合には会社への責任追及も可能

    労働基準監督署から労災認定を受けたとしても、それだけでは、会社に対して損害賠償請求をすることはできません。
    会社に対して、損害賠償請求をするためには、被災労働者の側で、会社に安全配慮義務違反があったことを立証していかなければならないのです

    「安全配慮義務」とは、会社が快適な職場環境の実現や労働条件の改善によって労働者の安全と健康を確保しなければならないという義務のことをいいます。
    新型コロナウイルスへの感染リスクの高い職場においては、感染リスクを減らすための対策を講じることが安全配慮義務の内容となります。
    したがって、会社側が必要な対策を怠った結果、新型コロナウイルスの感染が生じた場合には、安全配慮義務違反を問うことができる可能性があります。

4、まとめ

職場での業務が原因でコロナ後遺症に罹患(りかん)した場合には、労災申請をすることが可能であり、労災認定を受けることによって労災保険からさまざまな補償を受けることができます。しかし、労災保険による補償だけでは不十分な部分もあるため、その部分については会社に対して責任追及を検討する必要があるのです

会社に対する責任追及をする場合には、労働者側に立証責任がありますが、法律の知識や経験のない個人が適切に対応することは困難なことも多いものです。
そのため、労災による会社への損害賠償請求をお考えの方は、弁護士に相談することをおすすめします。
長崎県にお住まいの方は、ベリーベスト法律事務所 長崎オフィスまで、お気軽にご相談ください

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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